2017年6月9日金曜日

私が感じる茨木の保育の実態

 今日から6月議会が始まりました。私は付属機関設置条例の一部改正の議案について質疑をしました。

 この改正は市が設置している付属機関の中の「児童福祉審議会」が行う事務内容に、認定こども園の認可事務を大阪府から移譲して新たにつけ加えるためのものです。法が変わって自動的に行わなければならないようなものと違い、茨木市がわざわざ手を上げて移譲される事務ですから、私にはこの機会に確認しておきたいことがありました。

 しかし質疑準備の過程で、確認したいことよりもまず、驚きの事実を見つけました。
市のホームページで「児童福祉審議会」について確認すると、どんな審議をしたのか、何も出てこないのです。出てくるのは審議会を一昨年どれだけ開催して非公開か公開かというものだけ。そこで実際に昨年は行われたのかどうか確認すると、5回も開催され、小規模保育事業の認可などについて審議していました。
 認可事務というのは、保育所などを新しく作る、その相手方(事業者)に資格があるのかどうか内容を確認する作業なので、審議内容が非公開なのは理解できます。しかし議題まで非公開にして市民にまるで知らせない市の態度に改めて驚きと怒りを感じました。

 なぜなら、私は一昨年の12月議会で、審議会の公開について、市が自ら定めている指針に基づいてきちんと公開するよう求める質疑を行っていたからです。求めたものはきちんと受け止められてもいなかったのだとわかり、腹立たしく思いました。いや、というよりも、自分たちで決めたルール守れてないよとわざわざ指摘してあげたのに、さらに守れないなら守れるように変更したらどうですか?とまでアドバイスしたのに、やりますと言っておいてしていない...これが市民の役に立つ所(市役所)なんだろうか...と。
 思わず「自分たちの決めたルールくらい守って仕事はしようよ」と言ってしまいました。

 そして本題、新たな事務をつけ加えるにあたって、審議会というのは市民を置き去りにしてはダメですよね?という確認をしておきたかったのです。

 今回変更が加えられる児童福祉審議会の関係でいえば、毎年3月議会に翌年度の保育所等入所申込者数一覧表が資料として配られます。今年度分を見た時に感じた疑問はこの場でぶつけよう、そう思って質疑しました。

 まず、一覧表ではこのような状況が明らかになりました↓

                定員     申込数    比較
  公立保育所合計     490   642  152
  私立保育所合計    1290  1480  190
  公立認定こども園合計   80    35    −45 (3歳児からの施設)
  私立認定こども園合計 3276  3937  661
  小規模保育事業合計   252   144   −108 (2歳児までの施設)
  事業所内保育事業合計    5     4     −1 (2歳児までの施設)

 これは保育を希望する方がどのような種類の施設に申し込んだのか?ということがわかる数字です。私は選挙でも訴えましたが、市が用意しなければならないのは、2歳児でまた保育所探しをしなければいけない小規模保育事業ではなく、6年一貫して保育できる公的保育施設であるということです。保育所に預けたい保護者の願いは就学前まで安心して預けることのできる施設を求めているというのが、比較の結果で明らかです。

 しかし市が児童福祉審議会で認可のための調査審議をおこなってほしいと提案してきたのは、希望者が少ない(マイナスが一番多い)小規模保育事業ばかりなのです。
 市民の願いに応えない保育施策で、住みたい街になるはずがありません。だからこそ、新しく事務がつけ加わる時に、市民の願いの立場で審議会への議題提案や運営は行ってほしいということを求めたわけです。

 質疑準備をして改めて、希望している施設に入れなかった方達が相当数にのぼることに心を寄せ、自分自身の経験も思い出し怒りがこみ上げました。『市民が求めていない施設を市の独断で設置して、希望もしていないところに無理やり入所させられるのが茨木の保育の実態』だと指摘させていただきました。

 審議会の公開に関する指針の運用と解釈にはこのように書かれています。
「政策決定過程を市民にきちんと知らせ、市政への信頼と理解を深めるために行われる」
これがきちんと守られていれば自分の願いと市政の向かっている方向性が違っていると気づいた時に指摘もできます。しかしお知らせがきちんとされない段階で、市民参画を求めても机上の空論にしかなりません。

 私は一つ一つの施策や条例が、市民の暮らしにきちんと活かされていると、市民のみなさんに実感してもらいたいのです。そのためのこだわりを持って、引き続き議会準備に邁進してまいります。

 次は12日月曜日に、市民会館跡地活用について質疑します。ぜひ傍聴してください。