日本共産党は昨年9月の安保法制(=戦争法)が国会で強行採決された翌日に「国民連合政府」を作ることを呼びかけました。今回の参議院選挙はこの方針を出した直後の国政選挙です。この1年近くの間にさまざまな分野で安保法制に反対する会が結成され、野党が共同して政治を変えるべき、との声が強まる中で、まさに国民の声が政治を動かし野党が1人区では統一候補を擁立するところまで政治の流れを市民の力で作り出した選挙であったと感じています。
安倍首相は国民のこのエネルギーに危機感を抱き、選挙期間中は野合だと批判し憲法改正は争点ではないと争点そらしに必死でした。この応援団となったのがマスコミです。これまでの投票率を見ても、たくさん報道されるほど投票率が高い傾向にあります。しかし今回は東京都知事問題も政権の都合良く出てきて、参議院選挙についてまともに報道がされなかったというのが、投票率の低さにも少なからず影響を与えていると思います。
さらに選挙が終われば争点ではなかったはずの改憲について安倍首相は「自民党に投票する方は改憲を掲げていることを理解しているはず」と述べ、マスコミも一斉に改憲勢力が3分の2を占めることを報道し始めました。こんな国民を愚弄したやり方は許せません。
この間、選挙結果や分析報道に触れる中で感じるのは、政治情勢は全国一律ではないということです。大阪では選挙区で日本共産党のわたなべ結を国会へ送ることができず悔しい思いをしているのですが、全国的には32の1人区の内11の選挙区で野党統一候補が勝利しました。日本共産党の比例票も前回参院選を上回っています。原発事故や大災害、米軍基地問題など、地域によっては抱えている問題が違い、これらが有権者の投票行動に大きく影響するのだと感じました。
大阪は維新が選挙区で2議席を取り、維新への期待がたくさんあるように感じますが、この間府政を担ってきた維新の政治で大阪経済は疲弊し、選挙に行っても政治は変わらないという思いが、全国にも増して強いことが投票率の低さに現れているのではないでしょうか。特に茨木は府内平均よりも投票率が低い自治体でした。
私はこの選挙の中で、市民の力で政治は変えられることを実感してきましたが、このことを引き続き伝えていく必要があると感じています。少しでもその思いが新たな人に届くよう頑張りたいと思います。
日本共産党は今回の選挙で改選前の3議席から6議席へ、議席を倍増することができました。新たに国民のくらしの声を国会で取り上げられる議員が増えます。国民の身近な声をきちんと国会に反映する政党として引き続き奮闘してまいります。
そして何よりも「戦争する国にさせない」ために、この選挙で協力してきた野党や市民との共同をさらに強める必要があると感じています。武力で平和は守れないし、現在の武器使用の概念は日本を守るためでないことも明らかです。何より、憲法を守った政治ができない人たちが叫んでいる改憲が国民のためにならないことは明白です。
まずは憲法を守った政治を行うことを求め、憲法が守られているという状態が、いかに人間らしく暮らせる社会になるのか。たくさんの人と作る「当たり前の政治」の実現に、私自身もみなさんと力を合わせて取り組んでいきます。