3月22日、3月議会が閉会しました。私は3月議会に提出された国民健康保険料と後期高齢者医療保険料の引き下げを求める請願について賛成討論を行いました。民生常任委員会での請願審査や反対討論を聞いていると、困っている市民は少なくないのに、その声が市会議員のところには届いていないものなのだということに驚きました。そんな思いから、払いたくても払えない実態をほんの少し紹介しました。以下、本会議で賛成討論を行った内容です↓↓
請願第1号「国民健康保険料と後期高齢者医療保険料の引き下げなど求めることについて」日本共産党を代表いたしまして、その願意は最もであり採択すべきとの立場から討論を行います。
この討論を準備するにあたって民生常任委員会での請願審査を議事録で拝見して、びっくりしたことがあります。
私たち日本共産党には、市民のみなさんから「国保料が払えなくて困っている」という相談がたくさん寄せられます。だからこそこの願意は最もだと実感しているわけですが、他会派のみなさんにはそういった相談が全く来ないのかと思うようなやり取りに正直びっくりいたしました。
私のところには、ご主人が事業を失敗したり借金をつくってくる生活の中で必死に子育てをしながらやりくりに追われる生活を送った後、ご主人も亡くなり借入金に追われる生活からやっと落ち着いた時に、自分の入院や子どもの離婚が重なり、国保料が払えなくなった時が続き、滞納となった保険料が払えなくて困っているという相談がありました。聞けば、現在の保険料は年金がない中なんとか支払っているとのことで、今の保険料に上乗せして支払うことが困難な暮らしぶりであることは明らかでした。私は国民健康保険法の中に規定されている滞納処分の執行停止について説明し、この方と何度か国保課へと足を運び、現在の保険料をきちんと支払っていることから、数年前の滞納分については滞納処分の執行停止を行うことができました。市からの通知が来た時、連絡をくれた時のその方の様子は安心した声で「毎日市からの督促の電話におびえていたが、これで電話がなくなると思うとホッとして、今日から安心して寝られそうです」とおっしゃいました。
この方の場合、少しずつでも払いたいと思い窓口へ相談に行っても、滞納額を早くなくしたい職員との間で合意できる保険料の支払いの約束ができず、払いたいのに払えない状態が続いていました。これが被保険者とのコミュニケーションがとれた状態と言えるでしょうか?真に市民と市がコミュニケーションをとれていれば、寝られないほど悩むことはなかったはずです。
民生常任委員会では国保会計質疑の中で答弁されたモデルケースのとして、年間所得86万円の場合が説明されていました。この場合の月額所得は71,666円、国民健康保険料は10回払いのため1回が10,505円支払わなければなりません。所得から保険料を差し引けば残るお金は61,161円です。これで家賃を払い食費を払い光熱費を払う、最低限度の生活が本当に送れるのか、これが何の心配もなく保険料を支払える暮らしぶりなのか、このことを請願人のみなさんは問うているのではないでしょうか。これが払っていただきやすい状態なのでしょうか。払いたくても払えない状態ではないと、みなさんは自信をもって言えるのでしょうか?憲法第25条で保障されている最低限度の生活ができる保険料にしてほしいという願いは聞き入れられて当然だと考えます。
保険料の収納率向上の取り組みでは、たった31円しかない預金の差し押さえを行っているとのことでした。31円しかない預金を差押えられなければならなかった被保険者の暮らしぶりはどのようなものであったのか。これが払えるのに払わなかった方の預金残高なのか、疑問に思います。
私は3月4日の本会議で、一部負担金減免制度の改善を求めました。実際に困っていることが話せる窓口だと市民が感じていれば、一部負担金や保険料減免の申請者も他市並みに増えるはずです。しかし委員会での答弁では保険料減免でも一部負担金減免でも他市より大きく遅れています。私の本会議質疑に対する答弁でも明らかなように、市民の実態には目を向けず、他市の制度がどうなっているかでしか制度の改善をはかれないのが現在の茨木の国保行政です。ですから払いたくても払えない方への柔軟な減免制度となっておらず、他市と比べても大幅に申請者が少ないのです。被保険者とのコミュニケーションがとれているのであれば、その願いの立場で改善が図られるべきです。
国保会計について日本共産党が指摘したように、国が低所得者対策で交付金を増やしている中で、市が法定外繰り入れを減額することは、一般財源に残るお金が増え、国保制度に活用すべきお金が使われず他へ回されていることを示しています。
本日現在この請願署名は11,187人の方から寄せられています。
私たち議員は、職員から学びながら、職員から聞く話を出発点に議論するのではなく、困っている市民のナマの声をどう改善できるのか、という形で議論すべきだと考えます。みなさんのところに困っている市民が来た時に、請願人におっしゃったように「市は努力していますから」という対応で市民と心が通じ合えるのか私は疑問でなりません。
来年度は困窮世帯の実態把握に努めていく旨の答弁が民生常任委員会の中でありましたが、このことが真に低所得者の保険料引き下げや減免制度の拡充につながるものとなるよう要望いたします。
最後に、請願人の方が趣旨説明で述べた「豊富な茨木市の財政は、まず市民の健康と命を守ることに使われるべき」という言葉は本当にその通りだと思います。私たち議員がこの立場で仕事をしていることを市民のみなさんにわかっていただくために、ぜひともみなさんのご賛同をお願い申し上げまして、討論を終わります。