2025年5月31日土曜日

ジェンダーレス社会は 声に出してこそ作られる

  今年は子どもが小学校に入学しました。やっと学校生活に慣れ、友達との関係も楽しめるようになってきたように感じます。

 茨木市ではすべての小学校で指定の通学用帽子があります。2種類用意されており、野球帽のようなキャップ型と全面につばのあるハット型です。

 私自身が小学生だった40年以上前は、ハット型が女子、キャップ型は男子と購入する時点で指定されていました。しかし今は、男女別の指定はなく、どちらを購入するかは個人で選択します。

 入学準備に際して息子が選んだのは「ハット型」でした。これまであまりかぶったことのない形をかぶってみたいと思ったようです。

 しかし入学して2~3週間であえなくキャップ型に変更することになりました。

 理由は学童保育の時間に「女みたいな帽子をかぶっている」と上級生から言われたことでした。最初は指導員の先生に話し「男とか女は関係ないよ」と教えてもらい納得し、同調した友達にも伝えたようですが、別の場面で別の上級生からも同じように声をかけられ悲しくなったようです。

 「どうして女の子がキャップ型をかぶっていても何も言われないのに、僕がこの帽子をかぶっていたらからかわれないといけないの!?」と泣きながら思いをぶつけられた時には、そのとおりだと感じました。

 しかし親世代は男女別に指定された帽子をかぶってきた時代を過ごした上で子育てをされている方がまだまだ多く、私自身も固定観念は残っています。そんな中で、選択の自由が与えられたとしても、ジェンダーレスな考え方を浸透させることはまだまだ難しいのだなと感じた出来事でした。

 今回の出来事は指導員の先生に伝え、同じように悲しい思いをする子がいなくなるよう願って、学校にも情報共有をお願いしました。

 私たち大人がさまざまな機会に「男や女で区別・差別しない」ことを言葉にしていくことが、選択の自由を意識の自由にしていくためにも大切だと考えさせられた出来事でした。