2016年3月11日金曜日

学校給食の地産地消推進は、農業の発展と地域経済を支える柱になる

 ほぼ毎回の議会で学校給食についてさまざまな視点から取り上げています。
3月議会では地産地消を進めることが茨木の農業振興策にもなり、地域経済活性化策であるという観点から取り上げました。
 
 現在茨木市の学校給食では、みそ汁の味噌は100%、米は67%、その他の野菜は1%程度が地元の食材を活用しています。この比率を高めることは、食べる側の安心につながるだけでなく提供する側にも自信の持てるものになることを、会派で学校給食先進自治体へ視察させていただく中で実感していました。そこで、この比率をさらに高めることで、給食を食べる子ども達には自分の住んでいるまちへの愛情を、作る生産者のみなさんには自信を、その間を取り持つ市職員のみなさんには誇りを持っていただきたいというのが、私の思いです。こんな立場で質疑を行いました。

 茨木市内での米生産量は1820tあります。このうち89tが学校給食に使用されています。学校給食使用率を100%にしようと思えば、さらに70tほど提供していただくことが必要ですが、なぜ困難なのか質しました。答弁では、農協出荷高のほとんどが学校給食へ使用されているそうです。農家にとっては農協へ出荷するよりも自己流通米の方が利益が得られることから、市内生産量の1割も農協に出荷されていないという事実も今回の質疑でわかりました。ここは国の農業施策の誤りですが、子ども達に市内産米を食べさせたい担当課と提供先となる農家を繋ぐのは、農林課の役割です。現在、農林課とJA、学務課との協議の場があり、学校給食での使用量については三者で共有されています。JAだけで困難だということが今回の答弁では明らかなのですから、担当課が農業施策としてきちんと位置づけるべきだと訴えました。

 お隣の箕面市では、学校給食に地元産を活用する手段の一つとして、農業公社を設立し、国の交付金を活用して生産する人材も確保しながら耕作放棄地を農地に戻す取組みと合わせて学校へ地元農産物を納入する取組みを始めています。荒れた農地を公社で2〜3年耕し農地として使える状態になったところで生産者にお返しし、引き続き耕作してもらう取組みを行っているほか、遊休農地解消に積極的役割を果たしており、4年前に比べて3割も遊休地を解消することができているそうです。箕面市はこういった取り組みの中、葉物野菜などの地元農産物を学校給食に積極的に活用するという観点から収穫した際に2〜3日分まとめて納品しても良いように各学校に保存庫の設置も始めました。
このように学校給食での地産地消の取組みを進めることが農業振興策にもつながるという観点で、市が積極的に生産者支援を行うことは安心・安全な学校給食への信頼につながります。

 茨木の農業は小規模農家がほとんどで、次の世代が茨木から離れたり農業に携わらないことで耕作放棄地や遊休地が増えています。そこを集落営農でカバーしていこうという取り組みが生産者のみなさんの間で地道に行われています。そこへ学校給食の現場で求められているものを計画的に生産して欲しいということを提起することによって、耕作放棄地や遊休地も減らす取組みにつながるはずです。関係団体にお任せ的に協議するだけではなく、市が農業を発展させるという観点からも力を入れて取り組むべき重要な施策だと訴えました。