2018年1月2日火曜日

市民の意見でつくる「市民会館」のためにパブリックコメントへの応募を

茨木市では現在、市民会館跡地エリア活用基本構想(案)に対するパブリックコメント(市民からの意見募集)を行なっています。

http://www.city.ibaraki.osaka.jp/kikou/shimin/shiminseikatsu/menu/pub/boshu_anken/39562.html

市民会館の建替えは老朽化に伴い必要ですが、市のシンボルともなる施設であり、広く市民の意見を集約した上で決めていくことを日本共産党は求めてきました。
この間市が提示した案に対して、昨年の6月議会と9月議会、12月議会でも本会議や文教常任委員会で質疑を行ってきました。私が質疑の中ではっきりさせたかったことは、パブリックコメントを行うに値する構想案となるのかどうかという点です。

現在示されている案では、市役所前グラウンドに新たに建物を建設するというもので、新施設建設と合わせて、グラウンドを芝生化しスポーツ利用ができなくなると説明されていました。そこで3点にわたって問題を指摘しました。

1つ目はスポーツ利用の保障です。
市役所前グラウンドは南北両グラウンドとも毎日のようにスポーツでの利用があります。グラウンドを芝生化するのなら、代替案を提示した上で進めるべきであることを指摘しました。しかしパブリックコメントを行う構想案にはこのことが一言も触れられていません。この問題では12月議会文教常任委員会で検討過程の報告を求めましたが、示せる代替案が全くないという状態でした。私はそれまでに、西河原グラウンドの夜間照明の設置や立命館大学の未利用地を借用してグラウンドを整備するなどの案を提案しましたが、どれも難しいとの答弁で終わっています。12月の委員会では市長に対して「このまま代替案が見つからなければどうするつもりか」尋ねました。市長は、代替案が見つからなければ芝生化をやめるということも選択肢にあるようでしたが、それならなんのために構想案を決めるのか?ということになるのではないでしょうか。実現できない構想ならパブリックコメントを行うだけ市民に失礼ではないかと感じています。

2つ目はグラウンド横の記念樹や記念碑の対応です。
新施設建設予定地は、市役所前グラウンドの南側、現在森のようになっている場所です。ここには貴重な記念樹があり季節ごとに観察会なども行われています。市民からは貴重な財産をなくすことへの批判の声が届いており、構想案としてまとめるまでに対応を示すべきだと当初から指摘していました。しかし検討委員会にも示していないどころか、12月議会の時点でも市は明言できる回答を持ち合わせていない状態でした。木の移植は簡単にできる問題ではありません。場所を移すことで貴重な財産を失う可能性もあるだけに、構想の中でしっかりと対応策を示すべきだと考えます。

3つ目は茨木版ネウボラです。
生まれる前からの支援を売りにした子育て支援機能を、新たな施設に導入することを打ち出していますが、現在春日にある保健医療センターに併設されている子ども健康センターと中条にある子育て支援センターを一つにするというもので、市民サービス縮小になりはしないのか?この疑問に答えるだけの答弁はいただいていません。特に保健医療センターでは、夜間休日の小児科診療が廃止になっていることが市民からの大きな批判にもなっています。さらに今ある機能を移転することで、保健医療センターをどうするつもりなのか?ここは市民にとって大きな問題だと考えます。小児科の夜間休日診療があるから近くに越してきたという方もいるだけに、機能をそれぞれに置いて充実するのならともかく、移転してしまえば同様の市民からの批判が起こることは間違いありません。

「市民会館跡地エリア活用基本構想(案)」を生きた構想にしようと思えば、上記の3点についての対応策はパブリックコメントが行われるまでに解決しておくべき問題だったと考えます。私はこのような状態の構想が、果たしてどこまで現実のものになるのか、3回の議会質疑を終えて大いに疑問を持っています。

日本共産党は市民会館の建替えについて最低限の考え方を以下のように示しています。
①無駄に巨費を投じるのではなく、身の丈にあった整備とすること
②新たに導入、変更する施策については、サービスの縮小をするのではなく市民の立場に立って充実すること
③新施設の建設、運営は直営で行うこと

一番大切なのは、市民的議論を尽くした上で建設を迎えることです。
今までに市民会館を利用したことのある方もそうでない方も、自分の税金が使われる大きな事業に意見し、新たな施設がたくさんの市民で賑わうものとなる建替えを行うべきだと考えます。
そのためにもみなさんの思いを、ぜひこの機会に市にお寄せください。