2018年1月30日火曜日

中学校全員給食へ一歩前進!

 本日は茨木市総合教育会議の傍聴に行きました。
今年度は中学校給食のあり方について検討おり、検討結果はどのようにまとめられるのか議会で確認してきましたが、はっきりとした回答はなく、来年度の予算編成に何らか反映されるものだと考えているというのが、この間の教育委員会の態度でした。そこで、市長と教育委員が一同に会する総合教育会議の場で、何らかの議論が行われるのではないかと思い傍聴してきました。

 傍聴してわかったことは、教育委員が1月の教育委員会定例会で「茨木市における中学校給食のあり方について」というタイトルで、今年度検討を行ってきたまとめをされているということです。以下、そのまとめを転載しておきます。


『茨木市における中学校給食のあり方について』

平成30年1月24日 茨木市教育委員会

 本市の中学校における昼食は、これまで家庭弁当を基本とし、多くの中学生は家庭からの弁当を持参しておりましたが、弁当が持参できない時のために、それを補完する制度として、平成19年度から中学校スクールランチ事業を順次整備し、実施してまいりました。
 国においては、平成17年7月の食育基本法の制定を背景として、平成20年6月に学校給食法が改正され、従来の「学校給食の実施」だけでなく、「学校給食を活用した食に関する指導の実施」という目的が加わったところであります。
 そこで、大阪府の中学校給食に係る補助金が創設されたことなどから、平成23年12月教育委員会定例会において、民間調理場を活用した弁当箱方式による選択制の給食を導入することを決定し、平成25年4月から、選択制の中学校給食を実施しております。
 教育委員会といたしましては、これまで家庭からの弁当は、子どもと保護者のふれあい、一人ひとりの子どもに応じた食事量や嗜好、健康面などについて対応できるものとして考えてまいりました。しかしながら、近年、食生活を取り巻く環境の変化により、脂質の過剰摂取や野菜の摂取不足等の栄養の偏りが大人だけでなく子ども達にもみられ、生徒の健康増進と食事の栄養バランス、食材の安全・安心、地産地消など食育の推進の観点から、「生きた教材」としての学校給食が果たす役割は以前にも増して大きくなっています。また、弁当を持参しない時には選択制給食を利用してもらうための様々な工夫をしてまいりましたが、現在の選択制の給食では、生徒が給食を選択しない場合には栄養バランスの偏りについて解決しない可能性があることや、昼食内容がそれぞれ異なることにより、食育の推進について、学校給食を最大限に活用することができないことなどの課題があります。
 このような中、平成29年度、茨木市の中学校における昼食について、現状を検証するとともに、教育委員会としてその望ましい中学校給食のあり方について、一定の方向性や考え方を取りまとめるために「茨木市中学校給食あり方懇談会」を計5回開催し、教育長及び教育委員が、生徒及び保護者、学識経験者、市民・市民団体など、幅広い意見を聴取してまいりました。
 その結果、中学校において全員給食を実施することにより、成長期にある中学生が、栄養バランスのとれた安全・安心な昼食を安定して摂ることや、将来にわたって健康な食生活を送るための基礎を培うことができる食に関する正しい知識など食に対する自己管理能力の向上、楽しい食事や食事のマナーなど望ましい食習慣を養えるなど健全な食生活を実現できる力の向上、自ら食事を作る力の向上など、さらなる食育の推進につながることから、下記のとおり、一定の考え方をまとめるものです。

 1)子どもたちが、将来、大人になった時に、食に関する社会環境の変化にも対応で
  き、健康で豊かな食生活を送るための基礎を培うことのできる環境づくりのために、
  学校給食を活用した、子どもたちの生きていく力、健康を作る力、食事を選ぶ力・
  作る力を育む食育の充実を図ります。

 2)安全・安心で健康に配慮した中学校給食を提供します。

 3)茨木市の地産地消や地域の伝統食を踏まえた給食をより多く提供します。

 4)これらの取組を推進するために、中学校給食については、全員給食が望ましいと
  考えます。


 茨木市総合教育会議では、このまとめを行なってきた教育委員がそれぞれに思いを語り、小学校と同じ自校方式の給食が望ましいということ、そのために課題はたくさんあるが実現する方向での検討を望む声をあげておられました。
 これを受けて福岡市長は「来年度予算、可能なのかどうかは別途検討しなければならない。次年度さらに検討を重ねていきたい。全国的にも(全員給食は)だいぶ普及しているので、研究してほしい。教職員の多忙化が問題になる中で、どこまで関与するのかも検討課題」であると話しました。
 教育委員からはさらに、認定こども園化した太田幼稚園での給食風景を見学した感想として、全員給食の大切さが実感を持って語られました。

 私は福岡市長が就任した際の施政方針演説で、中学校給食のあり方を検討していくことを表明してから一貫して、全員給食を自校方式で行うための検討となるよう求めて、議会でも質疑を続けてきました。議会でのやり取りでは、市長からも教育委員会からも前向きで積極的な態度は一切見られず、このままでは選択制を決めた時と同じ状況にはなりはしないかと怒りを覚えながら、各方面との懇談内容の公開や非公開で行われている教育委員協議会での議論をどう公開していくのかについて取り上げ続けてきました。今回のまとめを読むと、食育についても必死で取り上げてきたことが無駄ではなかったと感じるものとなっています。
 中学校全員給食が子育て世代の強い願いであることは、たくさんのみなさんからきかせていただきました。議会でどんな態度をとられても、市民の願いを実現したいとあきらめず取り上げ続けてよかったなと感じた会議傍聴となりました。

 実現に向けてはたくさんの課題があることは事実です。全員給食に向けて行政が動き出すことで、私自身焦点をあてて調査研究をしなければならないことが明確になりました。少しでも早く実現できるよう、しっかり取り組みたいと思います。