2020年12月17日木曜日

市民の願い~誰よりも議会に届け続ける議員として~

 12月議会には『こどもたちの豊かな成長を願う茨木署名実行委員会』から「乳・幼児期から学童期までの保育・学童保育、子育て支援施策の拡充を求める」請願署名が提出されました。私、大嶺さや かが行った賛成討論の内容をご紹介します。


 今年はコロナ禍であるため請願内容が「新型コロナウイルス感染対策」について3項目、「保育 所・学童保育など」について6項目と分けて行われています。日本共産党はその願意は最もであり、 どの項目においても実現されるべき内容であることから請願は採択すべきと考えます。

 特に新型コロナウイルス感染対策に関わる内容 は、今すぐの実施が必要であり、感染が発生して も事業継続が必要な分野であるだけに、現在の感染状況の中にあって職員への定期的な検査は何をおいても実施されるべきです。

 また、エッセンシャルワーカーとしてその仕事を止めることのできない分野で働いている保護者に安心して働き続けていただくためにも、本会議で質疑させていただいたように世界基準に照らして貧弱な保育環境の充実は欠かせません。

 保育所・学童保育などの項目では「兄弟同じ保育所に預けたい」「学童保育の教室からトイレが 遠すぎる」「学童保育では元気な子とゆっくり過ごしたい子がそれぞれに合った過ごし方ができる スペースの余裕がなく落ち着けない」など、ある意味当たり前に子どもに用意されるべき環境が、 茨木市の保育の現場では整備されていないのが実 態です。

 厚生労働省の調査によると、就業している保育士における現在の職場の改善希望として「給与・ 賞与等の改善」か6割、次いで「職員数の増員」 が4割「事務・雑務の軽減」と「未消化(有給等) 休暇の改善」が3割と続いており、これらが改善される中で離職理由の上位をしめる時間外勤務を必然的に減らすことができ、収入と勤務時間にゆとりが持てれば、人間関係の改善を図ることは可 能であることから、処遇の改善が必要だと訴えておられるのです。

 さらに小児科の夜間休日診療所の市内設置と医療費助成制度を18歳まで拡充してほしいという声も含めて、ごく一部の保育関係者の願いではなく、多くの市民の願いであるからこそ、請願権を行使して実施を求めておられます。

 今議会では「請願項目を一つに絞れば良いのではないか」という議論がありました。しかし請願者のみなさんはこの数年、部分採択も含めて実施してほしいと必死に取り組み努力されました。こういった努力に応えることなく、請願権を狭めるような主張をし、保育や子育て支援施策の拡充に背を向ける姿勢は改めるべきです。

 私自身のことで恐縮ですが、今、約20年ぶりに 子育てする機会に恵まれています。

 一人目の保育園時代は「休日夜間保育の充実」や「病児保育の実施」を切実に求め署名運動に参加した保護者でした。それから15年近い時を経て、実際に施策が 実施されており、その恩恵に預かることができています。

 長年議会に背を向けられながらも毎年地道 に取り組んでおられる市民のみなさんのご努力が あっての保育環境の充実に改めて敬意を表します。

 このように請願内容は項目によっては実現に向け長期間を要するものもあります。私たちは政治家として、目先の実現の可能性だけで判断するのではなく、長期的な視野で茨木の保育・学童保育・ 子育て支援分野のあり方について考え判断すべきです。

 何より議会の責任は、請願を採択したことによって終わるものではなく、住民の要望 に応えてその実現を図ることにあります。この姿 勢で採択に臨んでくださることを願って討論を終 わります。