2022年7月10日日曜日

市の責任で 交通権の保障を

  茨木市はこのほど、阪急茨木市駅前の双葉町駐車場と(新)双葉町駐車場の2ヶ所の駐輪場について「7月25日より自転車・バイクの定期利用の新規予約受付を停止する」ことを決め、駐輪場における掲示とホームページによる周知を始めています。

 理由は「病院誘致の候補地となっていることから、今後、駐車場利用者の皆さまには、他の駐車場への移動をお願いすることとなるため、本駐車場の定期利用者、定期待ちをされている方を最小限に抑え、他の駐車場へのご案内を円滑に行わせていただきたいと考えている」としています。

 双葉町の2ヶ所の駐輪場は、5月末時点で自転車とバイク合わせて637人が定期利用を待っている状態でした。

 私、大嶺さやかは初当選させていただいた最初の質問で駐輪場問題を取上げ「阪急とJRの駅前再整備にあたっては、駐輪場の整備計画も必要ではないか」と質疑しましたが「整備計画を策定する考えはない」と市は答弁しました。しかしこの時に質問したことで一時利用に際しては、駅前の駐輪場の空き状況を確認できるシステムが現在導入され活用されています。

 さらに病院誘致の候補地という案が出た時には、駐輪場の代替案などが示されないままではこの場所への病院誘致は認められないことを指摘してきました。

 他にも、JR総持寺駅南駐輪場が満車で一時利用ができずに困っているという声もお聞きしています。

 私、大嶺さやかは、JR総持寺駅の駐輪場設置を条例に追加する際にも質疑し「駅が開業した時にいっぱいで止められないという事態が起こらないか」確認しましたが、市は「想定乗降客数や阪急総持寺駅駐輪場利用者へのアンケートで利用台数を想定している」と答弁しました。しかしその後駅前の定期利用の駐輪場が閉鎖されており、この事態が市営駐車場の利用に大きな影響を与えています。

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 市民の移動に関する権利を保障するのは行政の大切な役割です。

 自転車移動に支障が生じるのであれば、他の交通手段を充実するなど、あらゆる手段を市民の立場に立って検討すべきです。

 最初の議会質問から9年が経過し、コロナ以前からのバスの減便などもあり、駅への交通手段として自転車を利用される方は増えているのではないかと考えます。

 茨木市にはJR、阪急、モノレールなどの各駅に市営駐車場が設けられていますが、現在(阪急)総持寺駅南駐車場に空きがある以外は、すべての駅前駐車場で自転車定期利用の待機者が発生しています。その数は5月末時点の総数で自転車2081人、原付47人、自動二輪201人となっています。

 茨木市は私の質問から2年後の2015年に「茨木市自転車利用環境整備計画」を策定していますが、最初の答弁の通り、駐輪場の整備計画については何ら対策は記載されておらず、放置自転車については数値目標を持って減らすことを掲げています。放置自転車の解消は「止める」場所の整備と一体に考える必要があります。

 改めて市に駐輪場整備について問い直す時期に来ていると、みなさんのご意見をお伺いして感じています。