2024年9月19日木曜日

守らない人が主張する憲法改正

 自民党総裁選で、どの候補者も主張している憲法改正。

法治国家(国民の意思によって制定された法律に基づいて国政が行われることを原則とする国家)であるはずの日本で、裏金問題で政治資金収支報告書への記載をごまかすなど、庶民よりも法を守ってないのではないかと感じる政治家が「憲法改正」を主張しているのが茶番劇にしか見えないのは私だけでしょうか。

まずは憲法を知って内容を生かすことが大切だと考えます。

*私が大事にする憲法

政治に向き合う上で常に必要になるのが法律(法令)であり、そのもとになるのが憲法です。誰もが公平に、取り残されることがないようにするためには、憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」こと。これが守られているかどうかが基準ではないかと常に頭に置きながら議会での議論を行っています。

「健康」と一言で言っても、きちんと食事がとれるか、病院に行くことができるか、さまざまな観点から「健康」を維持するための状態を整える必要があります。この条文のすごいところは、健康でいれば良いだけでなく「文化的な生活を営む」ことも明記していること。みなさんの日常を振り返った時に、「健康で文化的な最低限度の生活」が営めているでしょうか。自分自身の生活を憲法のうたう方向で暮らせているのか、振り返ってみるのも大事だと思います。自分でできる努力もあれば、国や自治体にしてほしいことなどが見えてきます。

*戦争を経験したからこその平和憲法

日本国憲法の前文では「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」て作られたと書かれています。そして「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有すること」も明記されています。これは誰かが平和の状況を勝手に作ってくれるという意味ではなく、第12条で「国民の不断の努力によつて、これ(憲法が国民に保障する自由及び権利)を保持しなければならない」としており、みんなの努力によって培われるものなんだよと書かれています。「誰かが平和にしてくれる」のではなく「私が平和を作る一員」という気持ちが大事だなと感じています。

「武力の行使は永久に放棄する」と第9条で明言しているにも関わらず、まずは憲法を実践してみることをしないで、戦争に向けて枝葉の部分を改正していくことは許されない行為だと考えます。

*変えるところがあるなら使ってみての実感から

 そうは言っても「長い間変えられていないのだから変えても良いのでは?」というご意見をお聞きすることもあります。これ自体を否定するつもりはありません。ただ変えるところがあるとすれば、使っていて現実と整合性が取れないなど守った上での実感からの意見であるべきだと感じます。

*まずは自分のくらしを憲法に照らし合わせてみよう

みなさん、毎日幸せを感じていますか?

憲法第13条では「幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と書かれています。

「幸せになりたーい!」と叫んで具体的にしてほしいことを言っていいと憲法には書いています。

私は憲法を変えることよりも先に、国民が使いこなすことが大事だなと感じています。ぜひご一緒に実践してみませんか?