2024年9月14日土曜日

茨木市が新たなPFAS汚染を公表

 

 PFASとは有機フッ素化合物の総称で、大阪では摂津市にある空調大手のダイキン工業淀川製作所が1960年代からPFOAを使用し1982年からは製造も開始、2012年に製造を中止するまで汚染水を排出し続けたことで、全国一高濃度の汚染が確認されています。

 PFASは体内でほとんど分解されず、発がん性や脂質・ホルモン異常、死産や早産、低出生体重など健康への影響が指摘されており、2019年にはストックホルム条約で製造も使用も禁止されています。

 茨木市では2022年に豊原町の井戸の検査で汚染が確認されたのが最初で、その後周辺の井戸の調査でも地下水の汚染が確認されています。そして今年3月、永代町の井戸においてPFOS及びPFOAが指針値を超えて検出されました。数値は以下の通りです。

 この結果を受けて、汚染の拡がりを把握するために当該井戸周辺地域における地下水の水質調査等を実施した結果を茨木市は8月30日に公表しました。下記がその結果で、調査した4カ所の井戸とも指針値を超えるPFOS及びPFOAが検出されています。

 今回の調査では、当該地域に14カ所ある井戸のうちたった4ヶ所しか調査していません。市内にある全井戸の調査を行い、実態把握のための取組みを急ぐ必要があります。

 202311月に「大阪PFAS汚染と健康を考える会」が発足し、府内で血液検査を行った結果を公表していますが、府下どの地域でも米国科学アカデミーが臨床ガイダンスで示す指針値を超える数値の方がいらっしゃることがわかりました。茨木市民で血液検査に参加された方からもPFOAが検出されています。国は実態把握のための血液検査を実施し、国内におけるPFASの健康への影響を調査すべきです。

 PFASは自然界には存在せず人工的に作られるものなので、汚染源を特定し除去する対策を取ることが必要です。茨木市内では地下水以外にも、安威川や十日市浄水場などからも指針値を超える値が検出されており、日本共産党は問題解決に向けた対策を求め議会での質問を継続的に行っています。

 PFASの除去には活性炭フィルターが有効であることがわかっており、私、大嶺さやかも文教常任委員会で「せめて小中学生が飲用する学校の水道への浄水器設置」を求めましたが、教育委員会は「設置する考えはない」ときっぱり断りました。事態を前向きに変えるには、積極的に国民の健康を守る立場で政治を進める政権に舵を切り替えることが重要だと感じています。